あなたの仕事(会社)は10年後も生き残ることができますか?『10年後、生き残る理系の条件』


 

竹内健先生の、『10年後、生き残る理系の条件』を読みました。

 
その時すぐにググってみたのが、ガートナーの2006年のテクノロジ・ハイプサイクルです。

 

2006年の技術予測

 

テクノロジ・ハイプサイクルは、テクノロジやアプリケーションが、

どの程度成熟しているか、今後、どの程度世間で受け入れられる可能性が高いかを、

曲線を使ってグラフィカルに示したリサーチ結果です。

 
さて、今から10年前、2006年のハイプサイクルを見てみましょう。

hype_cycle_2006_20160409

大まかに言うと、右が成熟しているもの、左が今後やってくるもの、です。
(Web2.0なんて懐かしいものがありますね。梅田先生はまだ将棋観戦でお忙しいのでしょうか)

 
そこには、クラウド・コンピューティングのクの字もありません(Grid Computingはありますが)。

ビッグデータもない。IoTもドローンもない。

機械学習もディープラーニングもありません。

 
学生の間でだけ使われていたFacebookが一般に開放されたのが2006年ですが、

これだけ大きなプラットフォームになるとは、正確に予測できていた人はほんの一握りでしょう。

また、LINEは存在すらしていません。

LINEのサービスローンチは、東日本大震災が起きた2011年を待たねばならないのです。

 
私はITエンジニアですのでハイプサイクルを参考にしましたが、

SiriのSpeech Recognitionのように一部予測どおりのものもありつつ、

未来を予測することがいかに難しいか、いや、ほぼ不可能であると痛感しました。

 

竹内先生の示唆

 
10年後、生き残る理系の条件』において、竹内先生自身も未来予測の難しさを認めていらっしゃいます。

竹内先生の主張は、会社の看板に頼るな、ひたすら自身の市場価値を高めよ、

という点に集約されると思います。

10年後、生き残る理系の条件
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エンジニアは常に勉強、勉強、また勉強

インプットだけではダメだ。

インプットをし、自ら考える時間も確保すべきだ。

 
また、エンジニアは「文系力」も身に着けるべきだ、とも仰っています。

技術だけ追いかけていては、近視眼的になる。

エンジニアも経営や、マーケティングを勉強すべきだ、ということです。

 
そして、世界に向けて「自己アピール」する能力を磨くべき、と主張されています。

論文を発表したり、カンファレンスでプレゼンをしたり、ということもあるでしょうが、

例えばブログやTwitter、Linkedinなどで自身の業績をアピールする手段もあります。

ITエンジニアであれば、GitHubのようなプラットフォームを通じて、

世界に自身の技術力をアピールすることができますね。

 

10年後に生き残る道は一つではない

 
私自身も基本的に竹内先生のストイックな主張に同意ですが、

一方で、身の引き締まるような、大きな壁が立ちはだかっているような思いがしました。

 
下図を見て下さい。

labor_matrix_20160409

己のスキルを高め、市場でのプレゼンスを高め、海外市場も視野に戦っていく。

かっこいいのですが、作戦なしに飛び込むと完全に②の「レッドオーシャン」に巻き込まれるんですよね。

金はいいがしんどいっていう。

 
①の「奴隷」は所謂「ブラック企業」に取込まれる未来ですね。

今後AIやロボットがますます高度化していくにつれて、

確実に現在では人が担っている単純労働や、ホワイトワーカーの仕事すらなくなっていくでしょう。

その時職を失わないように、戦略が必要です。

 
②の「年収150万で生きていく」戦略、そう言っていた本人はnoteで大儲けされていますが、

地方や、または東南アジア等の海外に移住し、

低コストな生活をしながら、精神的には豊かな生活を目指す、という戦略もあり得ると思います。

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最後の「金持ち父さん」は、所謂『金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』の「金持ち父さん」側の戦略です。

ビジネスの「仕組み化」を推進し、「お金がお金を呼ぶ」状態を作り出す戦略です。

不動産投資、金融投資等を通じて不労所得を増やす道ですが、

元手(お金、人脈)と、知恵(アイデア)、あとは運が必要になるのではないかと思います。

 
この金持ち父さん戦略については、

泉正人さんの『お金の大事な話~「稼ぐX貯まるX増える」のヒミツ~』が非常に参考になりました。
(まだ実践できてませんが・・笑)

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結論として

 
10年後に生き残る上で、現在所属する会社に依存する生き方は避けるべきでしょう。

いつ会社が潰れても余裕、という準備をいつでもしておくべきと考えます。

会社を飛び出してからどうしたいかは、それはあなたが「どう生きたいか」次第。

でも可能であれば、思い浮かべるとワクワクするような10年後を想像し、

実現に向けて日々努力したいですね。

 

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