ITコンサルタントに求められる7つのスキル


 

ITコンサルタントと言えば、エンジニアから忌み嫌われる、所謂「スーツ」の代表格であるが、ITコンサルタントも決して楽な商売ではない。私は、スーツとして厳しい業界を生き残っていくためには、いくつか欠くことのできないスキルが存在すると考えている。
コンサルファームでITコンサルとして仕事をした経験を元に振り返ってみて、これは必要だなと思われるスキルを列挙してみたい。

なお、予め断っておくが、これから書く内容は、真剣にITコンサルタントを目指そうとする方には、役に立たないであろう。そういった方は、ググったらすぐみつかるような、「技術力」、「業務知識」、「コミュニケーション能力」、「論理的思考能力」等を、コツコツと磨いていただきたい。

ITコンサルとして、スーツとして、生き残っていくために必要と思ったこと

1、表現力

スーツは、紙(PowerPointのスライド)が書けないと話にならない。コードを書かないスーツは、紙がお客様への納品成果物になるからである。紙ならSIerやITベンダも書いているではないかと思われるかもしれないが、特にITベンダから頂く資料を読むと、色遣いだけが妙にビビッドで、結局その紙全体で、そして個々のスライドで何を言いたいのかが不明なことが多い。読み手と、読み手である彼(彼女)に伝えたいメッセージを明確にし、それを支えるストーリーを、紙で表現できなければならない。紙は、タイトルとメッセージライン(パンチライン)だけを流し読みしていくだけで、言いたいことが伝わるよう、訓練する必要がある。
なお、紙を書くだけではだめで、表現力には「喋り」も含まれる。紙を書き、それを元に喋れないと話にならない。マシンガントークである必要はまったくないが、結論と、それを支えるロジックがはっきりと相手に「伝わる」力が必要である。

 
2、ハッタリ力

スーツは、時に(しょっちゅう?)ハッタリをかまさないといけない場面に遭遇する。一応インダストリ別、ケイパビリティ別に所属部署は分けられているものの、実際に割り振られる仕事は、自分にとって未知の仕事であるケースが多い。とは言え、お客様から高いフィーを頂いている手前、無知を晒すわけにはいかない。いきおい、知らないことを、さも詳しいかのように振る舞える力が必要になる。ハッタリ98%、2%は応用力(知っている断片的な情報を組み立て、それっぽいことを喋れること)ぐらいだろうか。ベテランになるにつれて、ハッタリの割合が減っていくのが望ましい。

 
3、整理力

スーツは、交通整理を求められる場面によく遭遇する。交通整理とは、道路の交通整理ではなく、混乱した議論であったり、もはや進捗の把握が困難になったプロジェクトの進め方であったり、である。議論の方は、所謂ファシリテーション能力と言われるもので、参考書籍も多い。ただ、能力全般に渡って言えることであるが、本を読んでも身に付くものではない。最初はできないかもしれないが、上達の秘訣は、とにかく会議の場で整理してみようと試みることだろう。

 
4、おじさんキラー力

スーツは、仕事において、お客様の中でもおじさんの部類に入る方々(情シスの部長さんとか、CIOとか)と相対することが多い。おじさんはプロジェクトのキーマンとなるケースがほとんどであるので、おじさんには気に入られなければならない。人に気に入られるには、抽象的ではあるが「人間力」のようなものも求められるのだが、最低限気をつけたいことは、おじさんの「空気を読む」ことだ。「空気を読む」とは、常に、もし自分が偉い人(おじさん)の立場だったら、こういう時何を気にするだろう、何について答えてくれると安心するだろう、ということを考える癖をつけることだ。技術用語を並べたてるだけでは、おじさんは納得してくれはしない。そして、そういうスーツは、おじさんに好かれもしないものだ。

 
5、キャッチアップ力

2でも述べたが、スーツは、自分にとって未知の仕事に遭遇するケースが多い。ハッタリ力も重要ではあるが、お金で言えば無い袖は振れぬというか、やはり頭の中に何も情報のないところからは、アウトプットは出しにくいものである(それを出すのも一つの技術ではあるが)。スーツは、技術や業務知識が必要になったときに、猛烈な勢いでキャッチアップし、かつ本質的に理解できる力が必要である。技術であれば、その技術を簡単に言うと要するに何で、お客様の立場からすると何がうれしくて、動作原理を簡潔に言うとどういうことか、といったことが説明できるレベルまで理解すること。それを、本質的に理解する力と言っている。

 
6、巻き込み力

スーツは、一人で仕事することはほとんどない。仕事の仲間と一緒に、プロジェクトを完遂させることが常だ。一人でなんでもこなすスーパーマンであればいいのだが、そういう人はめったにいない、というか、未だお目にかかったことはない。スーツは、未経験の領域の仕事を任されても、経験のある人や、特定の能力を保持する人を集めて、品質コスト納期(QCD)のバランスをとりつつ、仕事を完了させることができなければならない。なお、巻き込み力ではないのだが、経験のある人や特定の能力を保持する人が集まらなくても、なんとかすることができる力も、時には必要である(気合いと根性)。

 
7、鈍感力

コンサルファームのスーツたちは、皆忙しい。よって、できない子に構っている暇はあまりない。よって、できない子は激しく罵倒される機会も多い。スーツとしての仕事に慣れ、会社でのポジションが上がってくると罵倒される機会が少なくなるかというと、そうではない。ポジションが上がると、上のパートナーという怖いおじさんたちと相対するケースが増え、おじさんたちにやはり罵倒される。パートナーのおじさんたちは海千山千の猛者が多いので(たまにマイルドな人もいる)、とにかく好きなことをたくさん言ってくる。そんな時、批判されても、罵倒されても、教訓だけ受け取って、「ま、いっか」と忘れることができる。そんな鈍感力が必要だ。

 
なんだかまとまっていない感もあるが、7つ挙げると以上のようになる。

最後に、ITコンサルに必要なこととしてよく挙げられる、「技術力」や「業務知識」であるが、そんなものはSEやプログラマにとっても必要であるし、IT業界(この場合SI)で生き残っていくためには、普通のことなのではないだろうか。また、「コミュニケーション能力」や「論理的思考能力」に至っては、IT業界だけに求められるものではない。

ITコンサルを目指すのであれば、先ず「技術力」や「業務知識」といった「普通のこと」を、自信が持てるレベルにまで高め、コンサルファームやコンサル部門のあるITベンダ、SIerに飛び込んでみることだろう。本エントリで述べたようなことは、役に立つかもしれないし、役に立たないかもしれないが、先ずは実地に思い切って飛び込み、自分なりの「生き残るためのコツ」を、自分の頭で考え、見出すことが必要だろう。

 

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